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実は曖昧だったパイロットウォッチの規格 テスタフができるまで

pilotwatchパイロットウォッチ

パイロットウォッチとは?

実は基準が曖昧だったパイロットウォッチ

パイロットウォッチは各メーカーからたくさんリリースされています。軍用に開発された頑強さがウリのモデルから、コックピットの計器を思わせるメカメカしいデザインのモデルまで様々な個性的なモノがあります。では、パイロットウォッチとは一体どういった時計を指すのでしょう?

ダイバーズウォッチには基準が定められています。そのスペックを満たさない時計は厳密にいえばダイバーズウォッチとは言えない規格があります。ダイバーズウォッチの定義は以前こちらで説明しております。「ダイバーズウォッチとは」

これに対してパイロットウォッチは意外と最近まで明確な基準が定められていなかったようです。つまり「パイロットウォッチとは?」という問いに誰も明確に答えることができない状況だったのです。ドイツの腕時計ブランド「ジン」のオーナー兼最高責任者ローター・シュミットはこの問いに対して普遍的に有効な答えを出すためにパイロットウォッチ標準規格を制定する必要があると考えました。そこで2008年、航空分野においてヨーロッパ屈指の研究機関であるアーヘン応用大学と協力してパイロットウォッチの標準規格の作成に乗り出しました。

パイロットウォッチの規格を明確にしたTESTAF-テフタス-

ジンとアーヘン応用大学のチームはパイロットウォッチとして必要不可欠なスペックを検討して、機能、外部ストレス耐性、安全性および適合性の三つの項目に分けた要件をまとめました。下記項目が必要な要件として挙げられています。

機能
  1. 有視界計器飛行方式に必要な機能
  2. 日中および夜間における視認性
  3. 安全な操作性
  4. 精度および駆動時間
外部ストレス耐性
  1. 周期的な絶対周囲圧力の変化
  2. 有効な温度領域、急激な温度変化
  3. 耐衝撃性、重力加速度、振動
  4. 防水性、一般的な航空タービン燃料油
  5. 磁場の時計への影響
安全性および適合性
  1. アビオニクスシステムにおける時計が磁場から受ける影響
  2. 光りの反射やグレアの防止対策
  3. フォーム
  4. ストラップの装着性
パイロットウォッチ

パイロットウォッチ

TESTAF認定は品質の証となるのか?

2012年にはじめてジンのEZM10と103.TI.ARというモデルが認定を受けたようです。テスタフの規格は極限状態でも機能することを基準に作られているため審査をパスするには非常に難しいように思われます。だからこそ認定されたモデルは航空時計としてのスペックは非常に高いことの証明になるのは確かなことでしょう。

しかし、テスタフの審査が厳しすぎるのか、テスタフという規格自体が新しいため他のブランドが支持していないのかあまり認定モデルを目にすることはありません。web上で検索してみても結果に上がってくるのはジン、ストーヴァくらいのものでした。

採用、認定しているブランドが2つで2つともドイツブランドというのは公的、国際的な規格としては少し微妙な感じがします。2016年3月にはドイツ工業標準化協会(DIN)がテスタフをもとに新しいパイロットウォッチ規格DIN8330という規格を公開したそうです。まだまだドイツ国内での規格といった印象がありますが、国際規格ができれば採用するブランドも増えていくのではないでしょうか?

というわけで、「パイロットウォッチとは?」のこたえはまだちゃんと出ていないようです。

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