腕時計基礎知識

鉄道時計とは

鉄道時計について

鉄道時計について

鉄道に関わる業務は正確な時間が求められます。
視認性の高さや耐磁加工を施しやすい特性の為、鉄道時計として多くの鉄道会社の職員が懐中時計を使用しています。
機関車・電車等の運転台には多くの場合、計器板の中央、あるいは窓脇の時刻表立て付近に懐中時計に合わせたサイズの窪みが作りつけられており、運転士はここに自分の懐中時計を置いて計時しながら列車を運転します。
かつては懐中時計を鉄道事業者が購入し、運転士や車掌ら鉄道職員に貸与することが世界各地の鉄道で行われ、鉄道員たちは駅や詰所に設置された標準時間を示す掛時計を定期的に確認して、懐中時計の時刻合わせを行っていました。
近年はクオーツ腕時計の普及もあって、腕時計を携帯し鉄道時計は持たない運転士や据え置き型時計を運転台に置く運転士も多く、電波時計も普及しています。

海外における鉄道時計

1891年4月にアメリカの湖岸ミシガン南部鉄道で11名が死傷する大きな事故が起こりました。事故の原因は、列車の機関士が持っていた時計が4分遅れていたことでした。
これを受けてアメリカの鉄道会社は、時計の石の数・五姿勢調整・ケースサイズ・週あたりの誤差1分以内など、当時としては厳しい基準を設けます。この基準をクリアし、アメリカの鉄道時計として認められたのが、ウォルサムやハミルトン等でした。
こうした鉄道時計の厳しい精度規格はレイルロードグレードと言われ、鉄道局認定品と同等、あるいはそれに近い精度をもつ時計となりました。
また、当時これらの鉄道時計は鉄道員が買い取らねばいけなかった為、多くは金張りのケ−スでした。金張りは金メッキより耐久性があり、金無垢よりも安価な素材だからです。
鉄道時計は金張りのケ−スにもかかわらず、ム−ヴメントには精度維持に必要な部分には金を使用し、鏡面仕上げなど凝った造りが魅力の懐中時計でした。

日本における鉄道時計

日本で初めて新橋~横浜間に鉄道の開通・開業式が行われたのは1872年(明治5年)10月14日でした。世界一正確といわれる日本の鉄道の運行や時刻表。その運行に重要な役割を果たしているのが、鉄道時計です。
運転手の傍らで、正確な時刻を刻む鉄道時計。普通の懐中時計にはない歴史を持つ、この鉄道時計も、鉄道の魅力を語る上で出てくるアイテムのひとつです。
腕時計はかつて非常に高価なものでした。
そのため、主に鉄道(国鉄・私鉄)、電気通信(逓信省→電電公社)など、時刻を間違えられない職種の人には、精度の高い時計の懐中時計を支給・貸与していました。
1897年(明治30年)、日本で最初に採用された鉄道時計は、当時既に世界各国のレイルウェイ・ウォッチとして採用されてきた、アメリカブランドのウォルサムでした。
国産の鉄道時計が登場したのは、1929年(昭和4年)。当時の江木鉄道大臣より、精工舎(現在のセイコー)の19型手巻き式懐中時計「19セイコー」が、国産初の鉄道時計に指定されたところから始まります。
裏蓋に「貸与年、番号、所属の鉄道管理局」が彫りこまれており、出勤時に受け取り、退勤時に返却していました。
また、番号と鉄道管理局で時計を管理しますので、誰に貸与したかがわかるようになっていました。
現在このセイコー鉄道時計は、より正確な時刻を刻むため、手巻き式からクオーツ式に変わりましたが、日本の鉄道と共に80年以上多くの人々に支持され続けています。

鉄道時計のブランド

SEIKO(セイコー)

1929年、当時の江木鉄道大臣より精工舎製19型手巻き式懐中時計が国産初の鉄道時計に指定され、セイコーの鉄道時計の歴史がはじまりました。
見やすさや使いやすさ、そして安定した精度は、ずば抜けており、日本のインフラを影で支えてきたのがセイコーの鉄道時計です。
世界一正確といわれる日本の鉄道を支える必需品として、プロフェッショナルからも一般のお客さまからも時を超えて支持され続けています。

MONDAINE(モンディーン)

先端が丸くなっている赤い針が特徴的な、スイス国鉄オフィシャル鉄道時計メーカーです。
今もなおスイス国鉄駅3,000箇所以上で目にすることができるクロックは、スイス国鉄の正確な鉄道運行を象徴する時計として世界中でロングセラーを記録しています。

TISSOT(ティソ)

スイスのベルナーオーバーラント地方にある、ヨーロッパ最高地点(標高3454m)の駅ユングフラウヨッホを結ぶ登山鉄道がユングフラウ鉄道です。世界各国から毎年70万人以上の観光客が訪れる、このアルプスを代表する登山鉄道は2012年に全線開通100周年をむかえました。
同じく、スイスで誕生した名門ブランド「TISSOT(ティソ)」は、ユングフラウ鉄道100周年の公式パートナーとして、ティソからユングフラウ記念ロゴを文字盤裏に刻印したモデルをリリースしました。ユングフラウヨッホのショップなどで販売されており、スイス旅行・鉄道を満喫した思い出の品にぴったりです。

CATOREX(カトレックス)

カトレックスはスイスのジュラ山脈のレ・ブルルーで創業して150余年で、スイスの伝統ある時計メーカーの中でも、6代に渡って血脈の経営を続ける老舗会社です。
その2世紀にもわたる堅実な懐中時計製造の技術と実績、そして高品質かつ低価格が評価され、 カトレックスはスイス鉄道オフィシャル懐中時計に採用されています。

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